命は有限なのだ。
illustrated by No410 sui
先日、社長が福岡まで桑田佳祐さんのライブを見に行ってきました。
聞いてみれば、結構な慌しいスケジュール。
「忌野 清志郎さんのライブもいつか見ようと思ってたのに、
結局、行かないうちに亡くなってしまった。
見ておきたい人のライブは、行けるうちに行っておかなくちゃ」
今の私には、社長の言葉がず~んと重くのしかかっております。
昨日の朝の、ニュースの訃報を見て。
なぁぁんで、もっと早く中村勘三郎の鏡獅子を見に行かなかったんだ、私!
ばっきゃーろー!!
illustrated byNo305 山本岳央
鏡獅子、大好きです。
何を隠そう、私、「鏡獅子」の演目がすごく好きでして。
「鏡獅子」、ご存知ですか?
将軍の前で踊りを披露していた女性が、飾られた獅子頭を手に持って踊るうち、
獅子の精が乗り移っちゃう、というあらすじです。
前半はすごくしっとりした女性で、後半が同一人物とは思えない
荒々しい獅子に豹変するところが、たまらんのです。
あと、 ラスト数分の旋律。あの、ラストの毛振りの場面の旋律を聞くと、心が震えます。
13:27 にタイムスライダー合わせて、もしよければ聞いてみてください。
「神様って本当にいるんだな」
私は、上記動画の小津安二郎が撮った六代目「尾上菊五郎」の「鏡獅子」を
大学生のとき、映画館に見に行きました。
ちょうど小津安二郎生誕100周年記念祭、みたいな企画をやっていて、
連日、小津映画を大スクリーンで見れたのです。(贅沢でしょ)
あまりの迫力に、唖然としました。時間が止まったのかと思いました。
感動した、じゃ足りないな。
見終えたら、何か「神様って本当にいるんだな」と思いました。
踊りの神様が、降臨してきた感じ。
その尾上菊五郎の孫にあたるのが、中村勘三郎さんだったわけで。
勘三郎さんの連子師も好きだったので、
いつか好きな「鏡獅子」を生で見るのだー!と夢みてたのでした。
私も背中(生き様)で、誰か1人でもいいから感動させてみたい。
時、すでに遅しで、無念さでいっぱいです。
人が亡くなるたびに思うのですが、人の命って本当いつ終わるか分かりませんよね。
なのに、何で日常を生きる自分は、
明日もあさっても、おんなじ毎日が続くと思っちゃうのかな。
終わりを思うと、日々のありがたみが身にしみる。
勘三郎さんが、残した仕事の偉大さとチャレンジ精神にあふれた生き様に刺激を受け、
心からご冥福をお祈りし、
自分も目の前の仕事に、精進しようと思った冬の朝でした。
目立たなくてもいいから、私も背中(生き様)で、あんなアートを描いてみたい。
2012年12月6日