腹落ち ~続編~

コラム

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illustrated byNo352あきた

 

こんにちは。マイピク案内人のノリゴエです。

 

11月15日、「腹落ち」の記事を書きましたが、
思いもかげず、多くの方に読んで頂いたので続編を書きます。
(ちょっと長くなります)

 

と、いうのも 先日、病院の待合室で、2012年1月号の「VERY」を読みまして。

(井川遥、美しぃ~)
雑誌の中の井川遥さんとアートディレクター浅野矩美さんの対談記事で

 

・腹落ちするって、具体的にどういうこと?
・ちゃんと腹落ちして決断するには、どうすればいいの?


っていう2点 がとてもクリアになったので書いておきたかったのです。

 

腹落ちするって、具体的にどういうこと?

外国人に「腹落ちとみぞおちは何が違うのか?」って質問されたら何て答えます?

illustrated byNo302タイガーマス子
はぁ~~?全然違うよ!と即座に言えても、次の言葉に詰まります。

 

腹落ちって何だ?
納得すること?共感すること?
頭だけで理解することでもなく、感情だけの判断でもない、難しいニュアンス。

 

雑誌の対談記事でね、こんな下りがありました。

井川
「まったく新しいものを認めるより、既存のもの、誰かが先に「いい」と言ったものに人は集まりがちですよね。」 

浅野
「なぜ、それを自分がいいと思うのか、その理由を自分でちゃんと理解出来ていなくて、説明できないからだと思う。だから、不安になるし、自信が持てない。自分の感覚を信じるということは、自分で決める覚悟だったり、その決断に自分で責任を持つことなんだと思う。みんな本当に自分の頭で考え、腹括ってやってるの?ということを言いたいよね。」

引用:2012年1月号「VERY」井川遥、浅野矩美対談記事より

 

腹落ちするっていうのは、
自分の感覚を信じて、その決断に腹を括る過程のことなんだな、と。

 

何かを見て「いいな」と感じたとき。
ただ、いいな、と思うだけじゃ誰かが「いいな」って言ってるから何となく羨ましいのか、
それとも自分が本当に望んでいるのか、気づきにくいものです。

 

じゃあ、自分が「いいな」と思っていた男性(または女性)とは、
違う人から「好きです、付き合ってください」って言われたらどうします?
自分に告白してくれた人は、皆が羨む人気者です。
(うーん、幸せだけど悩ましい!)

illustrated byNo204 水槻いずみ

 

 

どちらかを取捨選択しなきゃいけない場面になって、初めて、
・私、この人のどこを「いいな」と思ったんだろう
・私の性格はどちらの人と合うんだろう?
と、深く考え出します。

 

ひとおとり、理屈を並べ、自分の割り切れない感情とも戦い、
「それでもやっぱりあの人が好きだ!」
と思った時が、【腹落ちする】ってことなんじゃないでしょうか。

 

「みんながいいっていうから人気者と付き合ってみるわ」
「最初にビビビってきたから、直感を信じるの!」
でも、決断理由は何でもいいと思いますが、
選んだ選択肢が思いがけない失敗だったときに、 大きな差が出ると思います。

 

人のせいにしない、多少思い通りにならなくても諦めないためには、
ちゃんと事前に【腹落ち】してる事が助けになると思うのです。

 

ちゃんと腹落ちして決断するには、どうすればいいの?

かつて、学生さんにこんな台詞を言われたことがありました。
「ノリゴエさん、俺、自分の直感信じて、就職やめてスキーに行きます。
ワクワクすることに素直になりたいんです」

illustrated byNo261 田中なほ

 

えええ~~~!!マジっすか!
と、かなりびっくりしました。

 

若いうちは何やってもいいと思うし、
別に新卒すぐ無理やり就職しなくてもいいとも思うんですが、
何といいますか・・。何でスキー?

 

何が正解かは、他人にはジャッジできません。
就職やめてスキーに行くのが間違っているとも言い切れません。
しかし、もろ手を挙げて賛成もできず、だからと言って、
どういう風にアドバイスすればいいのかも分からなくて、
当時の私は言葉に詰まりました。
現況は分かりませんが、ガッツのある賢い子でしたので、
きっと今頃はどこかで楽しく働いているんじゃないかと思います。(願ってます)

 

この例に限らず、私たちはみんな「自分が納得した人生を歩みたい」と
思っていると思うのです。

 

じゃあ、人生の岐路で納得した決断を下すためには、
どうすればいいんでしょう?

将来、自分の子供から、「母さん、私、就職やめてスキーに行くよ」といわれたら、
私は何て言ってあげるのがいいんでしょう?

 

また「VERY」の記事の引用です。

井川
「『感覚を信じろ』と言われると、鋭い直感を持つことだと思いがち。でも、そうではないですよね。」 

浅野
「直感って、論理性を磨かない限り決して鋭くならない。直感を裏付ける必然性をどうするか。そこには必ずしも理論が必要というわけではなく、そんな風に考える行為だけでも、自分に自信を持てる瞬間は必ずあると思う。」

引用:2012年1月号「VERY」井川遥、浅野矩美対談記事より

 

腹落ちする過程は、だた直感を信じるだけじゃなくて、
直感を裏付けする理由を考えることも含まれるのです。

 

もし、今、学生さんが「就職やめて、スキーに行きます」って言ってきたら。
今の私なら、「なぜ?」「なぜ?」攻撃にします。
「何でスキーなの?」
「金銭面のことは省みず、ワクワクする選択肢を選ぶのは何で?」

 

明確な理由を求めているわけじゃありません。
考える過程が大事だと思うからです。

 

私は、究極のところ、突き詰めていった一番最後の部分は、
絶対に言葉はできないと思っています。
「誰が何と言っても、うまくいえないけど、これがいいんだ!」
としか言えない。

 

illustrated byNo038  湯淺 満里子

 

それを見つけて決断することが【腹落ち】であり、
そこまでたどり着くには、やっぱりたくさんの「なぜ?」「なぜ?」の禅問答が
必要なんじゃないでしょうか。

 

「腹落ち」について、腹落ちしたここ2週間でした(笑)


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