大人の楽しみ
Illsutrated by【埼玉雲丹屋】
おはようございます!マイピク案内人のノリゴエです。
昨日、ものすご~く久しぶりに、昔遊んだ公園に行きました。
(続き)
いったいいつ最後に行ったのかも、定かでないほど昔です。
かつて大きくて魅力的に見えた遊具は、私の胸くらいの高さで、
地平線まで続いているように見えた芝生は、
新宿御苑の庭園の数分の1くらいでした。
かつてのワクワク感は、私の胸には戻ってこなくて、
大人になるってつまらんな、と大はしゃぎな娘の背中を見て思うのでした。
たくさんの物を見るって、すばらしいことだけど、
些細な事で感動できなくなるのは、ちょっともったいないですよね。
でも、大人になっていい事もありました。
道を通るたび、ベンチを見るたび、岩を流れる滝を見るたび、
普段は全く思い出さなかった過去の思い出たちがみるみると引き出されてゆくんです。
「ここって小学校の授業で絵を描かなかったっけ?」
「ここって、友達と遊びに来なかったっけ?」
「ここで、家族で写真撮らなかったっけ?」
「ここって、デートに来なかったっけ?」
みたいな。自分でも全く覚えていなかったんですが、
たぶん、私は大学生の時にこの公園に1度来ていたことを、
湖そばのベンチを見て思い出したのでした。
自分が知らず知らずのうちに積み重ねてきた人生の欠片を、
思いもかけず引き出してしまって、
嬉しいとも、悲しいとも、違うこの感情を人は「懐かしい」と呼びます。
懐かしい感情は、ほんのり心を暖めてくれて、
大人っていいじゃないいか、とほくそ笑みながら、娘の手をひいて帰りました。
たまには、前ばかり見ずに、
後ろを向いて懐かしの場所に行ってみるのもいいものです。
2012年5月9日