似顔絵は、奥深いアートです、ほんとうに。

気になるイラストニュース

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illustrated byNo169ござる丸

 

プロの漫画家さんが描いた有名人の似顔絵が話題になってます。
コチラのページ。全部で71人もいるんですよー。

 

写真そのまんま・・というより、その人の雰囲気を的確につかみ、
そこに自分のオリジナリティがプラスされています。
まるで自分の漫画のキャラクターにしちゃっているところが、さすがプロ!

 

マイピクの仕事をしていますと、
写真よりも似顔絵の方がご本人様らしい!というケースに出会います。
イラストレーターさんの目と手を通して、特徴が濃ゆ~くあぶり出された感じです。

 

この絵も実は、私なんですが・・
シンプルな線で特徴が際立っていて、脱帽です。。

illustrated byNo299 しず

似顔絵師さんは、私たちが顔を見るのとは、
違うものが見えているんだろうか?と時々不思議になります。

 

大事なのは、「感じる心」

昔、西村 佳哲さんのワークショップに参加したことがあるのですが、
その中で、「芸術家と素人は何が違うのか?」という話をされていました。
技術もさることながら、決定的に違うのは、【五感】という話が印象的でした。

 

素人は、山を描くと緑一色しか描かない。だからすぐ終わる。
でも、画家が山を描くと、描いても描いても完成しない。
いろんな色が見えるからだ。緑の中に黄色が見え、赤が見え、青が見える。

 

ピアニストもおんなじだ。素人には聞こえない音を聞き取る。

 

芸術家は、感じとったものを、自分の技術を使ってアウトプットしている。
まず、入り口の【感じ取る力】というのが、すごく大事なんだ、と。

 

普段、絵を描くわけでも、音楽を奏でるわけでもない私は、
【何かを見た、聞いたときに、自分がどう感じるか】
というのは、おざなりにして、売り上げランキングを追いかけたり、
何も感じようとせずに、スルーさせてしまったり。
ゆっくりと自分の気持ちを省みることすらなかったな、と反省したものでした。

 

 

似顔絵師さんや、芸術家に限らず、
本当は、私たちみ~んな違った個々のフィルターを持っています。
自分の五感も大切にしたいし、人のフィルター(五感)を通したものも、
新鮮な驚きをもって楽しめる素直な人でありたいと思うのです。

illustrated byNo277フジナガ


先日、こんな素敵なフィルターを通した似顔絵展を、拝見させて頂きました。

 

パーキンソン病の患者さんが描いた、笑顔の似顔絵展

パーキンソン病と闘う大上克巳さんが開いた個展「わっはっはっは!笑って行こう」です。

 

写真を見てお分かりになるように、ぜ~~んぶ笑顔、笑顔、笑顔!
写真を見て知らない方を描くことも稀にあるそうですが、
たいていは自分の身近にいる人たちを思い浮かべながら描くのだそう。

 

何で笑顔を描くのか、の理由が入り口に記されていました。

パーキンソン病の1つに、仮面様顔症(無表情)があります。
私には、常に無表情になっていく恐怖感があります。失いたくなくても、失っていく表情。ならば、せめて自分の似顔絵の表情は、”笑顔”でありたい との思いからです。

 

笑えるって、当たり前のことじゃなかったんだ、と改めて考えされられました。
それを、骨身に染みて分かっている大上さんの見る人の笑顔は、
私たちが見るよりも、よりいっそう輝いてみえるのかもしれません。

 

そんな大上さんのフィルターを通して、描かれた笑顔を見ると、
何とも心が温まり、 こちらまで、思わず口角が上がってしまうのですよね。
元気がない時に、ぜひ眺めたい。

 

クリエイティビティ(創造性)と模写が、一体になり、
見る人を楽しませてくれる【似顔絵】って、奥深いアートです、ほんとうに。

 


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